猿岩隧道(岩手県奥州市)
延長696m
現在は通行不能
胆沢区の石淵ダム湖に突き出た猿岩(さるいわ)を貫く隧道。ダム近くから若柳林道に入り、2kmほど行ったところにある。
幅が狭いため車のすれ違いは望めないが、それでも工事車両が通れるように拡幅された後であり
以前はもっと危険な隧道だったという。また、696mという延長は国有林林道のトンネルでは最長とのことである。
実は昔、森林軌道が通っていた隧道で、旧胆沢町のホームページで閲覧できる広報には、レールが敷かれている
古い写真が掲載されていた。ただ残念なことに、現在工事が進んでいる胆沢ダムが完成(平成25年予定)すれば、
この隧道は石淵ダムと共に水没することになっており、林道の付替えが予定されている。

コンクリート製の北側坑口。幅が狭いため、700m先の出口は小さく見える。左の看板は「落石注意」である。

中に入ると間もなく素掘りとなり、出口までこの状態が続く。
岩肌が剥き出しの内部はなかなかスリルがある。また、路面は未舗装で水溜りも多い。

天井近くには一定間隔で碍子のようなものがついた棒が取りつけられている。軌道地代の名残だろうか。
ちなみに、この隧道にまつわる話に「天井につるはしが刺さっている」というものがあるが、
この棒のことを指しているかは分からない。

素掘りのままの南側。上の白いプレートには「猿岩隧道」と彫られている。

少し離れて撮影。切り立った崖の下に隧道が口を開けている。
背後の林道は一関市の祭畤(まつるべ)に繋がっている。
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